The 4-Hour Work Week

読み終えた。一応。
 一応、という意味は、人々が言っているとおり、噛めば噛むほど味が出る本であることがみずから認識できたので、時をおかず折にふれ再読する気マンマンであるという意味。


 これ、「やるのは難しい」と書いてる人いっぱいいるんですけど、本当にこの本を読んだのかな?
 難しいと思うあなた、こういう簡単なことから始めてみようよ! というステップが、ものすごく懇切丁寧に、かつ死ぬほど具体的に書かれてるんだけど…。


 死ぬほど、という意味は、内容には同意したけど、いまいち抽象的だったのでよくわからなかったので実践できませんでした、という言い訳を一切封じられてしまうという意味で。


 やれよ!


 オレはやる。というか、もうやってる(笑)。


 じつは、先日このブログに書いたとおり、この本は、9月に日本へ行ったときにさんざん探して、ついに見つけて、日本語訳を先に買った。ところがその後、9月末にプノンペンの空港であっさり原書(英語)を見つけて、サクッと買ったという経緯がある。
 最初、並行して読んでいたけど、日本語版のひどさに閉口して投げ捨てた。日本人のくせに、英語の原書と和訳書の両方を所有しているときに、英語の原書であえて読むほうを選ばせるほど、ひどい和訳書…。最大の難点は、言い回しの中に、原書の持つ真摯さがまったく訳出されていないことだ。「ボクは……なんだ」的な1980年代的な軽い言い回し。訳者はきっと50代とか60代だろう。
 最初、この期に及んでまだこの本が理解されず売れず都心の大型書店に在庫ない日本ってやっぱ終わってるな…と思ったけど、今なら言える。和訳のひどさのせいだ。ひどい損失だと思う。


 この人(Tim)は、NRになれてはじめて、自分のやりたい仕事(vocation)、自分の場合は「writer」という肩書きを身につけることができた、これで、drug dealerですとか言って2時間説明しなくてすむようになった、と巻末に半ば冗談で書いているけれど、その彼のwriterとしての結晶がここにある。言い回しとか、いちいちニクいですよ。悔しかったら、読んで実践して彼を超えることだ!


 その文脈と相通ずるのが、今ひきつづき読んでいる本『社員のモチベーションは上げるな!』(宋文洲)だ。9月に日本へ行ったとき、本屋でたまたまこの人の本を大量に見かけたので、大人買いしたうちの一冊だ。

 正直、上述のTimの本で「Automation」ということをさんざん叩きこまれ、かつ自分もすでにけっこうカンボジアで実践してるなかにあっては、あまり目新しいことは書かれていない。自分にとっては。
※だって、創業して4ヶ月経ったのに、1週間も出社していない社長ってどうなの(笑)? いわば実験だね。Tim言うところのAutomationの。Internet駆使した…。
 しかし、痛いほどわかる。この中国人が書いてる「システム化しようよ! 属人主義や精神主義じゃ潰れるぜ!」っていう平易なメッセージにすら、耳をふさいで現実逃避する日本人が、山ほどいるであろうということが…。幸か不幸か、日本で何度かサラリーマンした経験も持つ自分には、勝手ながら、耳ふさいで丸まるであろう御仁たちの名前や顔までもが思い浮かぶ。


 このあたりは、日系のカミカゼ精神主義のやるせなさともからめて、

http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-310.html

で海外ニートさんが「違うのは日本人だって違うだろう!」と書かれているが、まあ意味は同じなんだけど、ちょっと逆の言い回しで表現したほうがスッキリするように感じた。
「日本人だっておんなじなはずだろう! 違うふうに考えてる日本人は、たまたま今はまだ歴史的経緯により上層に多いかもしれないけど、決してもはや多数派ではないんではないのか?」