ひさびさの大失敗…心の貧しさ

 このブログは「失敗をする」ブログなので、積極的に失敗をして、二度とそんな失敗はしない、すなわち積極的に成長していくことをもくろんでいる。裏を返せば、一度した失敗は二度としないことが主眼のはずなのだが、このたびひさびさに、今さらこんな失敗をするなんて…! という事件があったので懺悔しなければなりません。


 夜、酔って路上で麺食ってたとき、ガム売りの少女が寄ってきた。僕はもう、相手がガム売りの少女だっていうだけですっかりシニカルな気分になってしまって、
「ほんとはそのガム、半額なんだろ?」
「な、半額で売ったって儲け出るんだろ?」
「半額なら買ってやるよ」
と声をかけていたが、となりで麺食ってたベトナム人のニイチャンがそのときスッと、少女のその言い値でガムを買ったではないか。


 ああ、ここはそういえばサイゴンではなかった。少女はきっと、ガムを夜中売らないといけないぐらいだから、決して裕福ではないにちがいない。にもかかわらず、ボッタクリをしてまで裕福になろうとは思わないのだ。
 それを自分は…
 なんと恥ずかしいことだろう。自分に恥ずかしいことだろう。


 もしかしてボッタクリ額だっていいじゃないか。たかが数千ドンが自分にとって何だ。むしろ、裕福になってほしい少女に援助する口実を作ってもらえて、ありがたくやるべきではなかったか。


 きれいごといっくら口では言ってたって、人間、こういうときに本性が顔を出す。なんて醜い人間! それが私だったとは、いかにしてもぬぐいさることのできない失敗談であった。
 だから強烈な自戒の念をこめ、悔い改めるために、ここに記す。