「住友化学がWHO職員に個人的便宜供与、見返りに未公開調達の受注アドバイス受ける」世界基金監察総監室報告書

WHOカンボジア支部の職員が、住友化学から個人的に供与された便宜と引き換えに、長期残効型殺虫剤蚊帳の調達に関する未公開情報と受注アドバイス住友化学に提供したと、世界基金の監察総監室が14日発表した報告書が記しています。
報告書によれば住友化学は、2009年1月11日にこのWHO職員とその妻の休暇のためにシンガポールの5つ星ホテルを予約し、その宿泊費用を支払い、これを受けてこのWHO職員は2009年1月18日、自分の個人メールアドレスから、カンボジアの国立寄生生物学・昆虫学・マラリア予防センターの3月に予定されていた未公開の調達情報を住友化学にメールで発信するとともに、「私があなたにこの情報を明かしたとは言わないでください。X氏があなたに告げたと言えばよいでしょう」としてマニラのWHO職員の連絡先もあわせて伝達しました。
これに応えて、住友化学がその50万個の発注を満たせるとこのWHO職員へ返信したところ、このWHO職員はさらに、「もし一度に50万個を納めるのが無理な場合には、まず3月に30万個を納め、その後4月から5月に残り20万個を納めるとあなたは言うべきです」という受注アドバイスも行なったということです。
また報告書によれば住友化学は、2009年12月にも、このWHO職員がシンガポールへ健康診断に行くための旅費を支払ったということです。
WHOではこの報告書を受けて、そのような個別的情報提供による不公正行為はいかなるWHO職員にも断じて許していないとして、早速調査を開始すると表明しています。

http://www.phnompenhpost.com/national/employee-who-bribe-probe