有給休暇の説明で混乱した!

 面接を半分終えた。
 1人ずつ別々にアポを作り、仕事内容や給与体系などを1人ずつに説明したので、とても疲れた。就職説明会やればよかった。
 しかし説明の多くは、妻がやってくれたので、助かった。
 あらかじめ、けっこうな時間をかけて妻に理解させておいたかいがあった。


 カンボジアにない「皆勤手当」「有給休暇」の概念には、どの応募者も最初戸惑っていたようだった。
 皆勤手当は、日本の労働基準法だと祝日休んだり有給休暇を取ったりしても支給しなければいけないが、カンボジアの労働法にはそもそも皆勤手当の規定がないことをいいことに、祝日も全部出て有給休暇も一切取らなかったときだけ支給することにした。


 有給休暇は、労働法には書いてあるが、そんなもの実際には誰も見たことがない。
 まあこれは日本も似たようなものだが。私自身、日本でサラリーマンしてたころ、有給休暇取りたいですと言って取ったことなど一度もない。病欠したらそれが有給にしてもらってたとかだけだ。なんかそういう空気ですよね。


 応募者の一人が
「えっ、じゃあ、たとえば一年分の有給休暇18日をまとめて取ってもいいんですか?」
とたずねた。すると妻が
「そんなのはダメよ〜。有給休暇ってのは、病気したり身内を病院に連れていったりしたときにお給料が減らないように、というのが趣旨なんだから。遊びに使うものじゃないのよ♪
と答えたのにはびっくりした。
 おまえは日本人か!


「いや、まとめて取ってもいいんですよ」
といちおうフォロー。ただしそのあとに
「でも、仕事に支障ないよう、チームの同僚とよく相談してね」
と付け加えたのは経営者としての私だった。