2001年9月11日、俺はプノンペンに住みはじめておよそ1週間が経過していた。

間借りさせていただいていたロコモ社(前の前の社屋)の一室に琢磨さんが入ってきた。
「廣田さん。大変なことが起こってしまいましたwww」

ホテルでテレビのカミカゼ映像に見入る白人たち。
カフェでテレビのボクシングに見入るカンボジア人たち。

あれで日本から出る人は気分的に少し減ったんだろうな。
俺はギリギリ間に合った。

世界は何が起こるかわからない。
あと一個の信号を待っていたら、逆に他が信号になってしまうかもしれない。
だから決断はつねに「今」しかないんだ。