お客に責任をどこまで押しつけるかのさじ加減。

ちょっとした打ち合わせで初めてバン=ケーンコーンの某レストランへ行ってきました。
店員のほとんどがベトナム系の顔立ちだったのがすごく印象的でした。
店構えや内装はさすがウン千万円(?)かけただけのことはあります。

注文時、自分で焼き焼きするランチを頼んだところ、店員が肉名しか復唱しないので、危ないなーと思ってワクワクしていましたが、案の定まったく違う出来合い定食が運ばれてくる。
「お客はたしかにこう言った」
と激しく言い訳を始める店員。
まさにサイゴン状態!

そこで考えさせられたのは、別の店員が
「間違えた分は彼女の給料から引かれます」
と私たち客に言ったことでした。

実際にそういう制度になっているかはわからない。
サイゴンではありうることかもしれない。
あるいはお客を満足させるリップサービスとしてマニュアル化されているのかもしれない。

ウチも途中から罰金制度を導入した。
罰金の難しいのは、報奨以上に、そのさじ加減(料率設定)である。
中国のいろいろな店へ行くと、ちょっとバックヤード的な場所に店員向けそういう規定と罰金額が書いてある。
スキを見て盗み見てふむふむなるほどとニヤニヤしている。
日本でも中国人の店ではそうだ。

日本でならば、注文時にくどいほど内容を確認する。
カンボジアでもタイ系のサービスを導入している店はそうだ。
これは客に責任を押しつけている格好でもある。
たしかに確認しましたよ、それでも間違いがあれば確認時ちゃんと言ってくれなかったお客さんのせいですね。

罰金制度はホスピタリティと裏腹になる危険をはらんでいる。
この点も皆苦慮する点のひとつだと思う。
この店でもそれをカバーするために、マニュアルでガチガチに固めている印象を持った。

自分の会社と照らしあわせてみて、客観的な気づきを得させてもらったことであった。
私もかつて同じ間違いをやった。
ダナンへ行けば、そこにいるのはホーチミン人ではない。
ホスピタリティにあふれるダナン人である。
プノンペンも同様なんだ。
それを素直に活かせるしくみを考えないといけないよね…。

店を出るとき、ひとりだけおもいきりクメールの顔立ちをした女の子が立っていて、みんなが義務的にセリフを発声するなか、ひとりだけ満面の笑みとココロからの感謝の言葉をくれたのがとても印象的でした。