特別市などという日本語はない、プノンペン都と呼ぼう。

橋下知事大阪都の名称にこだわる充分な根拠

「都はcapitalの意味なんだよハシシタのバーカバーカ」
とさげすむむきがあるようだが、微苦笑を禁じざるを得ない。
都がキャピタルの意味なら、都市はすべてキャピタルか? 首都の首の字の立場はw
名古屋行くとふつうに高速道路とかに名古屋都心とか書かれてるよね。

由緒正しくは、もちろん京がキャピトルの意味。京師と言ったりしたが、皇帝の諱に触れたので京都と言うようになった。都の字にキャピタルの意味なんてもともとない。たまたま日本にいま都が一つしかないから、勘違いしてる不勉強なひとがいるのは無理もないが。

そもそも、都でキャピタルの意味な例(熟語とか)ってありますか?

都は「みやこ」と読めばcapitalだよね?

みやこは宮処ですので、行宮(かりみや)・離宮東宮・吹上大宮なども本来該当します。元に大都・上都(陪都)があったのと同じです。和語にキャピタルの意味の言葉はないかも?
明治の東京奠都も、宮処を新たに奠めた(追加した)という意義を持っています。国内に都は複数ありえ、その一つを京(capital)に選ぶわけです。
都がもしキャピタルの意味だったら、「東京都」はThe Eastern Capital Capitalでダブリますよね。漢字に敏感なひとは憤死しますぜ。

府と都の原義とその後

府と都は本来だいたい同格であり、首府という言い方もある。北狄が府を乱立したため、府のインフレが起こり、都のほうがレアな感じになった。
漢字圏で府が用いられなくなった最終的な原因は、日本が戦前、奉天府や京城府などを東アジアに設置したからではないかと疑っている。府の字に日本による支配のイメージが付着したのではないか。ネイティブに聞いてみないと、わからないが…。
中国・韓国・北朝鮮・台湾はともに、府や都を用いず、直轄市(広域市/特別市)という長たらしい呼称を採用している。英語ではmunicipalityとされる。日本でいう府であり都であるととらえておおむね誤りない。

プノンペン特別市? 特別市なんて日本語あったっけ

そう考えると今Phnom Penh Municipalityをプノンペン特別市と和訳することが多いのは、少し韓国語の影響が感じられる。プノンペン都やプノンペン府でよいのではないか。実際、Bangkok Municipalityについては「バンコク都」とする日本語報道も多い。見識だと思う。
プノンペン特別市」は何をかくそう、わが子の出生届にもそのように記した。だからわが子の戸籍に一生のこるだろう。「府」や「都」で書いていたら通ったのかどうか興味がある。
カンボジアには08年までプノンペン以外にも3つのmunicipalityがあった。Pailin・Kep・Sihanoukvilleだ。これらはprovinceへ改組された。そう考えると日本人の既成語感としては訳語はプノンペン府よりプノンペン都のほうが近いかもしれない。

大阪都」でなければ逆に日本語は乱れる

日本を振り返れば、都と府の法制上の違いは、よく知られたとおりただ一点。特別区の有無のみにすぎない。これ以外に違いはまったく、何もない、だから逆に、大阪府特別区を作り大阪市を廃したら、それは現在の東京都と寸分たがわぬ機構になるのであり、都と呼ぶのがもっとも自然だと思うがどうだろうか。

私は大阪が変われば日本の未来が変わるかどうかは知らない。が、純粋に語義を考えれば「大阪都」のほうにだいぶん分があるのであり、それを否定するのは国語があまりできない方々か、「都」の独占が破れるのが悔しい東京人認定されても文句はいいにくいのではないかと思う。


少なくとも彼は「大阪は日本の首都」などと言いださないだけ名古屋人よりマシであるw ( 体制維新ー大阪都 橋本徹・堺屋太一著 文春新書|太田ブログ|OHTABLOG )