東北弁はアイヌ語訛り
ふとしたことから、YouTubeでアイヌ語のスピーチに出会いました。
アイヌに関する本は少しは読んできましたが、耳でアイヌ語を聴いたのはこれが初めてでした。
音雰囲気がとても東北弁に似ていると思いました。
とくに、東北弁に頻繁に現れる末子音が、アイヌ語にもよく認められます。
いや、きっとそれは話が逆で、東北弁がアイヌ語訛りなのでしょう。
北京語が満洲訛りなのと同様、東北に住んでいたアイヌが大和語を学ぶ過程で、アイヌ語の音韻がかなり残存したに違いありません。
東北弁は遠くから聴くとまるで韓国語だな〜、と私は昨年インチョン空港の食堂で感じました。
でも実は、むしろそれはアイヌ語だったのです。
もっと進めて考えれば、韓国語とアイヌ語は、もともとはひとつながりの言語圏にあったものが、あとから大和語の機関銃のような音韻を話す人々の集団によって、分断されたという可能性もあります。
南方には、大和語と同じように機関銃のような(末子音を持たない)言語を話す人々がいます。フィリピノ語やマレーシア語などがそれです。
南から北上してきた人々が日本列島にいつしか陣取り、のちに韓国語となる言語を西へ、アイヌ語を東へ放逐し、あるいは呑み込んで、現在の形ができたのかもしれません。
昔の中国人は、倭人は山嶋に依っていると書いています。
バイキングのように海のかなたから列島にやってきた、威勢のいい人々だったのかもしれません。
古事記の神話のなかにも、とくに天地創世の部分で、南方諸民族と似通ったものが多くあることは、大林太良が細かく明らかにしています。