プレア=ヴィヒア寺周辺4.6平方キロメートルのうち、寺に続く断崖部分のみがカンボジア領と国際司法裁判所判決、両国首相は歓迎
昨日夕方は多くの大きな報道機関が、プレア=ヴィヒア寺周辺4.6平方キロメートルがすべてカンボジア領として国際司法裁判所に判決されたと報じましたので、私もそれに従いましたが、判決直後から、これは4.6平方キロメートルがすべてカンボジア領として判決されたのではないという声は、ネット上のあちこちに出ていました。
昨晩に至ってもなお、プレア=ヴィヒア寺周辺4.6平方キロメートルがすべてカンボジア領として国際司法裁判所に判決されたと報じている大きな報道機関はありましたが、日本のNHKをはじめとして、注意深い報道機関は、4.6平方キロメートルがすべてカンボジア領として判決されたのではないときちんと伝えるようになっています。
国際司法裁判所判決全文:
http://www.icj-cij.org/docket/files/151/17704.pdf
かいつまんで言うと、断崖はカンボジア領、それ以外は本訴訟の訴えの対象外という判決です。では断崖ということだとカンボジア領認定された領域は正確にはどういう国境線になるのでしょうか、というのがわかりません。たぶん現時点で誰もわかりません。
フン=セン首相はこの判決を受けてテレビ演説を行い、「これは平和的解決への大いなる前進である」と手放しで歓迎するとともに、国境の平和を保つためタイと共同してあたることを改めて表明し、「緊張につながる行為を一切行わない」と述べました。
タイのインラック=シナワトラ首相も同様のテレビ演説を行いました。