「ここには日本語あふれてる」プノンペン補習校の日の丸

今年度、プノンペン補習授業校の保護者会会長を拝命したことを機に、日本人会会報の最新号に、むかし吉田千恵子初代校長先生と一緒に一教諭としてホーチミン市補習授業校を陸路で見学に行った時の思い出などを寄稿したが、一つ書き漏らしたことがある。
ホールの壁に掲げられた日の丸とカンボジア国旗のことだ。

両国旗は、吉田先生たちとホーチミン市内を探索していたとき、ふと入った、旗やトロフィーを扱っている店で見つけて、吉田先生が私費で購入されたものだ。
それまでは学校に国旗もなかった。
私たちは手作りでこの学校を作ってきたのだ。
プノンペンにいるこどもたちが家庭以外で日本語に接する唯一の場所として。

すでに真っ黒に汚れてしまった両国旗は、年月を感じさせる。
もう10年近く経っているから無理もないが、ちょっとさすがにこんなに汚れてしまっては両国に申し訳ないので、そろそろ「おつかれさまでした」とご引退願って、新しい国旗に取り替えないといけないのかなと内心思っている。

毎週火曜、このホールを借りてコーラス部の練習が行われている。
このコーラス部のメンバーは主体は欧米人なので、壁の日の丸を見て、もしかしたら、汚れてるわね…と哀れんでいるかもしれない。
そんなことを妄想しながら、しかし日々のことにかまけている自分が情けないのであった。

一事が万事、人はつねに未来のために時間を少し、意識して積極的に、とっておかなければならない。


CJCCの両国旗はさすがに真新しい(補習校のは撮るにしのびないです…)