乾き物には手を出さない子供だった。
甘い物ばかりパクついていた。
そんなお正月を毎年迎えていた。
そう、今年も同じ…。
今年が違うのはお皿の上に配されたおせちを独り。
乾き物に僕が手を出されなければ、他に食べる人はいない。
もったいないな…。
途中から知った人が店に入ってきて、一緒におせちを食べる。
案外、甘い物を残す。それが本当の大人なのかもしれない。
帰ったあとに僕は、こっそりそれを平らげる。
乾き物ももったいないので全部食べる。
今日はきんとんを、食べきれなくてテイクアウトにしてもらった。
日本の食文化とベトナムの習慣のいいとこどり。