従業員はなぜ働くのか?

 今日、うちの社員が責任感を持っていきいき働いているのを見て、お客様から褒めていただいた。
 それを我がことのように誇らしく思い、○○君よかったなぁ〜、と社員グループチャットで触れまわりもするが、その一方で、「どうしてこの人はこんなにがんばって働くのだろう?」といぶかしんでいる自分がいる。


 おそろしいもので、経営者をわずか3ヶ月やっただけで、すでに脳が経営者脳になっている自分がいる。
 従業員歴11年はなんだったんだろうと思う。


 従業員歴長いから、従業員の気持ちがわかるはずだったのに、なんかもう、わからなくなっている。これは将来ヤバい。社員の気持ちがわからない社長になっちゃうよ〜。


 人を数人雇ったことは以前にも4年ほどあったが、僕がいなければ回らない会社だったから、実質「職人とその助手たち」にすぎなかったので、あれを経営者とは呼べないだろう。
 あの時の反省があるので、今度の会社は、僕が現場にほとんどいなくても回るような仕掛けをこしらえた。あちこちに経営的ギミックと技術的ガジェットを織り込んだ文理複合体組織だ。そのかいあって、創業以来社長が1週間ほどしか出社していないのに、ちゃんと回っている。おもしろいものだ。


 その仕組みが奏功して、それを辛抱強くチャットで説いた僕の苦労も報われて、それで責任感とやりがいを持って働いてくれているんだと思うが、それを素直にありがたいと思うかたわら、自分にはできないことだよなぁ、と正直感じてしまったりもするのである。
 なんか、次のフェーズに入りつつあるんだと思う。従業員の気持ちしかわからない人が、社長の気持ちしかわからない人になったあと(今ココ)、両方の気持ちがわかる人になる、という課程を経ていくんだと思う。経ていかなくちゃいけないんだと思う。