ラオスがまた独断でダム建設へ、河イルカや漁業に影響必至

ラオスメコン川主流のカンボジア国境から1キロメートル弱上流に位置するKhone Phapheng滝で来月にも着工するとしている約240メガワットの水力発電ダムであるDon Sahongダムについて、世界自然保護基金は、環境影響を討議する緊急会合を開くようメコン川委員会(MRC)に求めました。
これについて事前に議論もしないのであればMRCなど無用の長物であるとしています。
きちんとした国際協力なしには、6千万人の暮らしと食の安全が脅かされると警告しています。
このダムが建設されれば、カンボジアのカワゴンドウ(俗に河イルカ)やメコンオオナマズをはじめとする稀少生物は軒並み絶滅の危機に瀕するほか、魚の行き来が阻害されて生態系と漁業従事者の生計に壊滅的な被害を与えると言われています。
ラオスのViraphonh Viravongエネルギー鉱業相は1月のMRC会合で、MRCの諮問プロセスの継続期間は6ヶ月のみであり、かつ合意を要しないとの見解を示しています。
これに対しカンボジア国メコン委員会のSin Niny終身副委員長は、すべての国が合意に達しないかぎりメコン川主流でのいかなるプロジェクトも実施できないと反論しています。
同委員会のWatt Botkosal次官補は、ラオスがこのダムを独断で建設しようとしている件について「私の見方では、それはカンボジア国境に非常に近い。このDon Sahongは主流ダムであり、したがって他の国々とそのネガティブインパクトが議論される必要がある」と6日日曜述べるとともに、カンボジア政府として今後の対応を協議する考えを示しました。
メコン川委員会では1995年に、加盟4ヶ国の合意なしにはいかなる主流ダム開発をも進めることはできないとの合意を締結していますが、ラオスは昨年11月、この合意にもかかわらず、下流カンボジアベトナムの反対を押し切って独断で1,285メガワットの水力発電ダムであるサイニャブリ ダムの着工に踏みきっています。

http://www.cambodiadaily.com/news/wwf-says-urgent-meeting-needed-over-new-laos-dam-44437/