人民党「選挙結果受け入れる。今回の結果はわが党にとって目を覚まさせるアラームとなった」救国党「断じて受け入れられない」

アジア・太平洋地域の政党で作るアジア政党国際会議はきょう月曜午前中、記者会見を開き、今回の選挙が自由かつ公正であったとの見解を示しました。
また、人民党幹部の話として、人民党は今回の選挙結果を受け入れる意思を表明していることを明らかにしました。


キエウ=カニャルット情報相(人民党報道担当)はきのう日曜夜「今回の結果はわが党の目を覚まさせるアラームとなった」と語りました。


開票結果は速報値ベースで、人民党は23議席減で67議席を獲得、辛勝とされています。
ただしこの値はコムフレル発表であり、政府報道官は、クロチェ州で人民党が1票多い68議席獲得と発表しています。
全国の票数は人民党256万に対して救国党230万、割合では53%対47%となっています。
カンボジアに二大政党制が生まれました。

  • プレイ=ヴェーン州
  • カンダール州
  • コンポン=チャーム州
  • プノンペン

で救国党が勝利。
すなわち首相の故郷と地元と首都がすべて陥落し、また、ベトナムに近い州が反ベトナムにお墨付きという、与党にとっては大変厳しい結果となっています。


一方、人民党などの議席を奪って27議席増で56議席を獲得し躍進した救国党もきょう月曜午前中、記者会見を開き、選挙不正があったとして、選挙結果は断じてこれを受け入れることができないとの主張を繰り返しました。
ただしこの値はコムフレル発表であり、政府報道官は、救国党はクロチェ州で1票少ない55議席獲得と発表しています。


これについて、独立系選挙監視団体コムフレルはきょう月曜午前中、記者会見を開き、救国党が国会に出席しなければ、内閣総理大臣指名の議決に必要な定足数120人を満たすことができず、次期政権が発足できないと指摘しました。
そのような規定がどの法令の第何条に書かれているのかは未確認です。
また、投票率が68%となったことについて、コムフレルは「そんなにおおぜい昨日外出していたようには見えなかった」との感想を述べており、調査していきたい考えを示しました。


救国党サーム=レアンシー党首が、選挙管理委員会による開票結果速報値公式発表より前、昨日日曜夕方に、いったん勝利宣言文を発したことについて、識者らは「もしも救国党が勝ったら人々がどう反応するか、見たかったのではないか」と推測しています。
だとすれば、その目的は充分達せられたと、私もプノンペンにいてまわりのカンボジア人たちの反応に間近に接していて感じました。それは衝撃と不安の入り混じったものであったように思います。さまざまな噂も瞬間的に乱れ飛びました。いわく「首相も閣僚ももう逃げてしまって、いない」「いや、明日から徹底的な内戦を準備していると聞いた」等など…。
サーム=レアンシー党首は数時間後、この勝利宣言文について「カンボジア国民の勝利という意味で言った。我が党の勝利という意味ではない」と弁解しましたが、文面には明らかに「救国党の勝利に感謝します」と書かれています。


選挙期間中、救国党サーム=レアンシー党首の帰国を強く指示した米国の駐カンボジア大使館は、選挙結果について「賞賛に値する。今後は結果を評価していきたい」との声明を発表しました。
米国大使は、投票日直前にも救国党サーム=レアンシー党首を大使館に招きいれ、非公開の会合を行なっています。内容について大使館報道官は明かせないとしています。


以下私見です。

救国党にはリベラルな顔とナショナリストの顔があり、両者の齟齬が破綻する寸前に投票日を迎えましたが、国内外のシンパはどっちかの面しか見ていないひとが多いんではないでしょうか。

パイの増やし方より分け方に重きを置くという党だという見方では共通しているでしょうが、外人に対しては国内の金持ちが取りすぎてると言い、国内に対しては外人が取りすぎてると言っているのです。

5年後に与党をめざすつもりならば、この党是の明らかな根本矛盾をまず解決してくれないと、国を大きくつまづかせることになるでしょう。

https://twitter.com/Carmichael_Rob/status/361679245002555394/photo/1